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ボ-犬ジュリ-の独りごと&暴れんボ-将軍のレナ

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クール用品にご注意

          暑中お見舞い申し上げます

  この蒸し暑さでワンはハァハァゼーゼーしてますよね
  クール用品お使いの方も多いかと・・・・・我が家ジュリ-は首に巻いて背中に背負ってる

        
 BCRNの北海道のリッくはじーりる母さんの記事転載(別名パクリ)です
         エチレングリコール中毒に注意!
夏場に暑さ対策として重宝されるものに、「アイスパック」があります
これはジェルの様なものを冷凍庫で冷やしておいて、それを首に巻いたり頭に巻いたりして、
ひんやりさせて暑さをしのぐものです。頭に巻くベルトタイプのものは、暑い時に頭に巻くと
あたまがすっきりしますので、本を読んだりするときなどは僕もよく使っています。
ところで気をつけないといけないのは、頭に巻いているだけならもちろん何の問題はないのですが、
かじったりしたときに、中に含まれている成分を口にすると、中毒を起こしてしまう可能性があるという
事です(ワインに甘み成分として混入し、人が死ぬと言う事故は今も世界中で起こっているそうです)

高分子ポリマーなどであれば問題はないと思われますが、怖いのは「エチレングリコール」
成分として入っている場合です。
エチレングリコールは甘いので動物がかじって穴を開けた場合、
中から出て来たものを、喜んでぺろぺろと舐めてしまう可能性があります。
すると、エチレングリコール中毒になってしまう可能性があります。
エチレングリコールは肝臓で代謝され、グリコアルデヒドやグリコール酸エステル、シュウ酸
エステルなどが産生され,時間とともにどの代謝産物が作られるかによって臨床症状が異なります
(だから、熱射病かなと思ってみていたら、実はエチレングリコール中毒だったという事もあり得るのです)

ステージ1は 最初の30分から12時間で起こるもので、
嘔吐、精神状態低下、神経症状、多飲多尿が見られます。
ステージ2は 12~24時間で見られ、貧脈や呼吸速迫が起こります。
最終段階のステージ3は 半日~一日以上たってからなるものですが、最終的に産生された
シュウ酸カルシウムによって腎臓がダメージを受け、腎不全になって高率で死亡します。

エチレングリコールが怖いのは、「なんかふらふらしているけど様子を見よう」と言っていると、
あっという間に腎臓までやられてしまい、腎不全で死んでしまうという事です
しかも、ステージが進んだ後で治療を始めても、
もうすでに体の中ではシュウ酸カルシウムが作られてしまい、手遅れになってしまいます

治療としては、早く連れて来てもらった場合は吐かせたり、胃洗浄を行ったりもしますが、
もう体がエチレングリコールを吸収してしまっている場合は、「エタノールの静脈注射」が基本的な
治療となって来ます。これは、肝臓で 「エチレングリコール→代謝→毒性物質」という変化が
起こる前に、アルコールを代謝しないといけないように、エチレングリコールの代謝を競合阻害
させようと言うものです。エタノールを注射すれば、エタノール濃度が上がって体は酔っぱらう
のですが、エチレングリコールが分解されてシュウ酸カルシウムが作られてしまえば、
動物は死んでしまうので、犬が酔っぱらった状態になってふらふらになろうが、そんな事は
言っていられません。問題は、エタノールの注射が間に合うか、ということです。
注射をしたとしても、時間が間に合わずにエチレングリコールが分解されて、毒性物質が
作られてしまえば、それでもう"アウト"です。
また、エタノールを入れて競合させても、あまりに多くのエチレングリコールを体が
吸収してしまっていれば、競合しきれず、毒性物質が作られてしまう可能性があります。
僕も以前、アイスノンを食べた犬を治療したところ、治療の甲斐なく死んでしまった事がありますが、
他の獣医師と話をしていても、「症状が出て来たら、だいたい死んじゃうね」
ということで、死亡率の高い、怖い中毒であるのは間違いないようです。
ポイントを抜粋しておくと、
・身近にある中毒物質なのに、危険性を知らない人が多い
・「パックを食べた」たという禀告がないと、診察してもまず分からない
・毒性物質が出来てしまった後ではほぼ手遅れです。
早い対処が必要なのに、症状が分かりづらく、気づいた後では手遅れになっている可能性が
あるのが怖い中毒です。血液検査にしても、初期には腎臓の数値は高くありません。
シュウ酸カルシウムが作られて腎臓がダメージを受け始めると、
しだいに腎臓の数値が上がって来るのですが、数値が上がって来る段階になったら、
それはもうほぼ手遅れという事を意味しているのです。

一番有名なアイスパックというと「アイスノン」ですが、実はこれにもエチレングリコールは入っているため、
かじって遊んでいたりすると、エチレングリコール中毒になって死亡してしまう可能性があります。
他にも、アイスパックで"食べてはいけない"と書いてあるものは、
エチレングリコールを含んでいる可能性がありますので、家にアイスパックがある方は、一度、
内容成分を確認しておいた方が良いと思います。
暑い季節は、犬用の暑さ対策としてアイスパックを下にしいてあげるという人も多いとは思いますが、
かじって遊んでいるうちに、甘いので喜んで舐めていて、
中毒となって死亡してしまうという可能性は十分すぎるほどありますので、
「食べられません」と書いてあるアイスパックを、
犬のところに起きっぱなしにするという事は止めておいた方が良い
と思います。
日常の生活の中にも、実は危険というものは案外潜んでいるものですので、
よかれと思って用意してあげたもので、思わぬ事故を起こさないようにご注意いただきたいと思います。
どうぶつ病院診療日記より転載しました。
by julie01n | 2009-08-12 09:49
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ボーダ-コリーのジュリ-&暴れん坊将軍レナとパパママの奮闘を笑ってください


by julie01n
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